ブログ
ブログを通して、絵本美術館での活動をご紹介します。
第4回「絵本の読み聞かせ会」
2017-08-03
今回の絵本は、せなけいこさんの『ねないこだれだ』です。
この絵本は、ほんとうにすばらしいですね。
シンプルなことばと絵で、子どもたちに強烈なインパクトを与えます。
かつて、『ちびくろサンボ』という絵本がありましたが、あの絵本が子どもたちの五感を刺激しうる最もシンプルかつ最高の絵本だと思っていましたが、いつの間にかその座はこの『ねないこだれだ』に奪われていたと言っても過言ではありません。
残念なことに、この絵本に関しては大型絵本が作られておりません。しかも、とってもちっちゃな赤ちゃん絵本なのです。
お母さんが子どもを膝に乗せ読んであげるには最高の絵本なのですが、ね。
そこで先生たちは、この絵本のもつインスピレーションをそこねないよう、せなけいこさんの切り絵のもつ温かさを忠実に生かしながら、大きなペープサートを創りました。
圧巻の小さなおばけが大きなおばけに手をひっぱられながら夜空をぐんぐん登っていくラストシーンは、むしろ絵本を抜け出した浮遊感満載のペープサートがよいですね。
「安藤忠雄の対論・この国の行く末」のロケが行われました。
2017-08-02
今日、絵本美術館で「安藤忠雄の対論・この国の行く末」(BSフジ)のロケが行われました。
日本を代表する各界の賢人と建築家・安藤忠雄さんが日本を憂い、日本の未来を語る対論シリーズの第四弾です。
第一弾 千 玄室(裏千家第15代前家元) 2/26放送
第二弾 北尾 吉孝(SBIホールディングスCEO) 4/22放送
第三弾 山中 伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長) 6/24放送
第四弾 小泉 進次郎(衆議院議員) 9/23放送決定
シリーズ全4回の最終回ということで、対談場所に絵本美術館を選んでくださったこと、たいへん光栄に思います。
当日は、偶然にもありす幼稚園の夏まつりが行われていましたが、お二人がぜひ未来を担う子どもたちとも対話したいということで、お昼を食べた後、年長組の子どもたちを園バスで連れて行きました。
子どもたちも、「"絵本美術館をつくった人"に会うんだ」ということで、ドキドキしていたようです。
そのためか、バスを降りてきたときはかなり興奮気味。
小泉進次郎さんがそんな子どもたちをリラックスさせて楽しませてくれました。
小泉さんは2回目の来館ですが、「やっと二人そろってくることができました」と、安藤さんと嬉しそうでした。
その安藤さんの問いに、「ここで絵本を見るのは楽しい」と答えていた子どもたち。
「ここで自由に絵本を見たり、水平線を見たりできるこの幼稚園の子どもたちは本当にうらやましい」と言ってくださった小泉さん。
それらを聞いて、私たちはもちろん、建築家安藤忠雄さんもうれしかったに違いありません。
そうそう、安藤さんを"絵本美術館をつくってくれた建築家のおじさん"、小泉さんを"未来の総理大臣"と言っていた子もいましたよ。
そんな時代を代表する二人に会えた子どもたちは、きっと今日、何かを感じてくれたに違いないと思いました。
放送は9月23日(土)です。一時間番組です。
ぜひ、楽しみにしていてください。
公式サイトはこちら http://konokuni.jp/
第3回「絵本の読み聞かせ会」
2017-07-20
今年の絵本の「読み聞かせ会」も、今日で第3回を迎えます。
毎回、たくさんの小さな子どもたちが絵本美術館にあそびにきてくれていますが、子どもたちはもちろんのこと、お母さま方もミッフィちゃんのぬいぐるみを胸に抱きしめ、童心にかえって絵本に見入る姿も見られ、ほほえましい限りです。
日頃の子育ての疲れを、少しでも癒していただければと思います。
さて、今日の絵本は・・・
夏休みを前に、子どもたちも園で先生に読んでもらった「ぐりとぐらのかいすいよく」。
大きな絵本は、先生たちの手作りなんですよ。
まどのそとの大きな青い海を眺めながら、ぐりとぐらといっしょに最高の海水浴に出かけましょう!!
「二人のオランダ人形の冒険」(1895年・初版本)
2017-07-23
今日は久しぶりのお休みなので、絵本美術館の絵本についてちょっと語ります。
この絵本は、1895年の『二人のオランダ人形』(初版本)です。
館内の絵本の歴史を紹介する階段に並行した棚にあります。
テディベアのお友達,ゴリウォッグ。
1895年にフローレンス・アブトンによって描かれ、この世に登場しました。
今では日本でも人気者のゴーリーですが、イギリスとアメリカではその評価は異なります。
フローレンスがゴーリーの著作権をとっていなかったため、アメリカでは心ない数多くの作者により悪役ゴーリーがたくさん登場したためです。(差別問題もからめて。)
しかし、イギリスでは、子どもたちがゴーリー人形を愛し遊んだため、ゴーリーは人気者になりました。
私はゴーリーより、木のオランダ人形、彼女に興味があるのですが、熱海のテディベア・ミュージアムで見たゴーリーは、たしかにかわいかった。
アンティークの、いい感じにこなれた人形でした。
彼らは、ちっちゃくても生きていましたね。
『ぼくらのなまえは ぐりとぐら』
2017-07-20
今日は、ぜっこうの海水浴日和でしたね。
昨日は絵本美術館も白いもやに覆われ、ほとんど海が見えませんでしたが、今日はうってかわって、大きな窓の
外のそのまたむこうに、夏らしい、ブルーの海が広がっていました。
子どもたちは、まず、歌あそびで大きな波になったり、小さな波になったり、
「♪ザンブリコ~、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ♪」
「♪ザンブリコ~、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ♪」
と、その手振りが親子であまりにじょうずなので驚きました。
そのとき、どこからともなくおかしな歌がきこえてきたのです。
「♪ぐりぐら、チュチュチュ、ぐりぐら、チュッチュッチュッ♪」
(あれ、このメロディは・・・)
「♪ぼくらの なまえは ぐりとぐら
このよで いちばん すきなのは
おりょうりすること たべること
ぐりとぐらだよ チュッチュッチュッ♪」
おお、これがあの有名な『ぐりとぐら』の替え歌ですね。
この世に116曲あるという。
いや、それ以上かも。
「うちでは、こう歌っていました」という楽譜を全国から116曲も集めた本も福音館から出ていますね。
その名も、『ばくらのなまえは ぐりとぐら』(福音館)
先生たちは『おもちゃのチャチャチャ』にのせて歌っていましたが、「チャチャチャ」を「チュチュチュ」と
ねずみの鳴き声で歌っているところがミソです。
『フニクリフニクラ』バージョンや、『ミッキーマウスマーチ』バージョンもあるんですって。
ということは、世界21か国で翻訳されているこの絵本のあのフレーズには、宇宙の星の数ほどの果てしない数のメロディが存在するということですね。
この替え歌を初めて聞いたお母さん方もいて、今日の「読み聞かせ会」はむしろ大人が童心に返って楽しんだ
ひとときだったようですよ。
ところで、今日の子どもたちへのおみやげは、ムーミンのミルクビスケットと、ミィのちっちゃな金平糖。
せっかくなので、おじいちゃま、おばあちゃまにもさしあげると、子どものような笑顔をたくさんくださいま
した。