ありす幼稚園ブログ
ブログを通して、園の様子をお伝えします。
「おゆうぎ会」を終えて
2020-12-13
おゆうぎ会は、一年の中で最も緊張する行事です。
舞台に上がった子どもたちをリラックスさせ、(その合間に一人一人衣装を直し)、励まし、寸前に気持ちを最高潮に盛り上げ、絶好のタイミングで幕を開ける合図を舞台監督に出すのです。
幕間が長すぎても興醒めですから、これは時間との勝負なのですが、劇などは子どもたちが舞台で方向音痴にならないよう、ステージの自らの立ち位置に一人一人順番に立たせ、歩かせ、ときには各幕ごとにそれらを一通り終えてから、いざ、幕を開けるのです。
これをやるのとやらないのとでは大違いなので、いくら時間が押してもこのプロセスは省けません。
眩いライトの下にいきなり出て行くのは大人でも恐いものです。自分が何処に立つかがわかると、不思議に落ち着くものです。
このように、舞台裏はいつもバタバタしているのですが、今年はさらに勝手が違って、先生たちもさぞ疲れたことでしょう。
控室でのお着替えをこまかく分散し、子どもたちのマスクも出番のギリギリまで外さず、外したマスクは一人一人名前の書かれたビニール袋に入れて清潔に保管する…などといった念の入れようでした。
もちろん、こうした防止策は、し過ぎる事はけっしてないので、おかげでドキドキしながら本番の日を迎えながらも、安心してプログラムを進めることができました。
心残りは、年少・年中さんに2つのプログラムを披露させてあげられなかったことと、年長組のオペレッタの歌を、子どもたちに生で歌わせてあげられなかったことです。
しかし、子どもたちはどの子もみな楽しそうに、生き生きと演技してくれました。
大人はバタバタしていましたが、子どもたちは泰然としていて、頼もしいことこの上なく、驚きとともに、感慨深いものがありました。
子どもは、ほんとうに素晴らしいです。
これから年明けにかけて、地域でも感染者が増えることでしょう。
しかし、子どもたちはいつものように屈託なく、園生活を楽しんでいくでしょう。
そんな子どもたちのために、これまで以上に保護者と協力しながら、子どもたちの「日常」と大切な「健康」を守っていかねばならないと強く思いました。
「カレーパーティー」楽しかったね!
2020-11-27
今日は、待ちに待った「カレーパーティー」の日です。
年長さんにとって、このカレーパーティーは、初夏に種芋を植えた時からずっと心待ちにしていた会です。
例年は2月の寒い時期に行いますが、今後の感染拡大の懸念から、前倒しで年内に行うことになりました。
さいわい、今日は朝から肌寒く、こんな日は熱々のカレーがほんとうに美味しいですよね。
子どもたちも朝からはしゃいで、今か今かとパーティーの始まりを待っていました。
今回は、夏野菜と違って硬いジャガイモや人参を切るのに若干手こずっていた子どもたちですが、それでもサラダパーティーとは比べものにならないくらい包丁の使い方が上手になっていて驚きました。
お母さんといっしょにお料理している子も増えたようですね。
さて、みんなで切った野菜はきれいに洗浄して、大鍋でぐつぐつ長時間煮込みました。
ほどよくジャガイモが溶けたカレーはよほど美味しかったのか、ホールにはあっという間におかわりの長い列が!
お家から持ってきたご飯はすぐになくなりましたが、子どもたちの列は途切れません。
カレーだけを皿によそってもらい、大鍋2つがすっかり空っぽに。
お腹をこわさないか、ほんとうに心配しました…
サラダパーティー
2020-10-05
待ちに待った“サラダ・パーティ”の日がやってきました。
苗から育てたトマトときゅうりの夏野菜…毎日根気強く水やりをしながら、どの子も大事にその生長を見守ってきました。
今年は感染症の流行で開催が危ぶまれましたが、地域に新たな感染者がいないこと、また手洗い・消毒などを念入りにして、自分のお皿の野菜は自分が切る、ドレッシングは先生が作る…など、感染防止策を徹底して行うことになりました。
だって、年中の頃から「年長さんになったら…」と、ずっと楽しみにしていたお料理パーティーです。
今後も感染状況を見ながら、できるだけ数多くのパーティを開催してあげたいと思っています。
さて、今日の日のために包丁の持ち方の練習までしてきた子もいたほど、どの子も手を猫の手のように丸め、きゅうりやリンゴをじょうずに薄く切っていて感心しました。
ドレッシングは、先生たちが何度も実験して、子どもたちが酸っぱくて嫌がらないように『蜂蜜』を隠し味に入れた特製ドレッシングです。
毎年、甘くておいしいと子どもたちに大好評で、その日のうちにレシピを聞いてくるお母さまもいるほどです。
ふだん、家ではまったく野菜をたべない子も、自分たちで育てた野菜を自ら調理した一皿に、「おいしい…」とパクパク食べる奇跡も起こる“サラダ・パーティー”です。
その満足げな様子に、「次は、なんのパーティーかな?」と尋ねますと、「こんどは、クリスマスケーキを作るんだよね!」と、即座にこたえが返ってきました。どの子も目をキラキラさせながら。
3月の“ジャム・パーティー”まで、何とかもってもらいたいものです。
海あそび
2020-09-18
震災の年に、お砂場遊びの出来ない子どもたちのために、オーストラリアの海岸から放射性物質「0」の粒子の細かい真っ白な砂を空輸し、保育室に敷き詰めて作ったのがこの日当たりの良い室内砂場です。
あれから約10年という長い時間、ありす幼稚園の子どもたちの砂遊びをこのお砂場はやさしく見守ってきました。
お外の藤棚の下の砂場も、自然放射線量値の砂に入れ換えておりますので安全ですが、なんと言っても、このカラフルな室内砂場で、裸足で砂を踏みしめ遊ぶことが楽しい子どもたちなのです。
思い返せば、震災後にまず室内砂場を作ろうと思ったのは、この「裸足で砂を踏みしめる」という幼少期の貴重な体験を奪ってはならないと思ったからです。
先週、絵本美術館に行った際、今年は海に行けなかった…と悲しそうに呟く子どもたちがいっぱいいました。
震災にしても新型コロナの流行にしても、こうした災難の前に、子どもたちはその年齢に必要な経験を多く失います。
幼児期に砂浜を裸足で歩く経験は、夏の楽しい思い出とともに、子どもの五感の発達には欠かせないものです。
今や園でも、幼少期の敏感な足裏の感覚を鍛えるために、この室内砂場はなくてはならないものになっています。
さて、今日は蒸し暑かったので、エアコンを作動しながら窓を開け、年少さんは夏休みに行けなかった海あそびごっこに歓声をあげていました。(もちろん、先生たちは大型送風機で「海風」の演出も怠りません。)
裸足で踏みしめる白いサラサラのお砂はひんやりと冷たくて、シャベルで砂をすくう子どもたちの額に髪がなびいて、ほんとうに夏の海岸にいるみたいでした。
今年は何かと子どもたちの行動が制限されますが、園では昨年以上に子どもたちを楽しませることに専念いたします。
絵本美術館の思い出
2020-09-14
今日は、年長さんの月に一度の小遠足。
例年なら9月はアクアマリンで海の生物たちと戯れる子どもたちですが、今年は感染症防止のために、安全な附属施設で夏の名残を楽しむことになりました。
すばらしいお天気に恵まれましたが、眼下に拡がる今日の海は驚くほど荒々しく、あちらこちらで白波が際立ち、先週に比べすっかり秋の海に変わっていました。潮風も肌寒いほどです。
それでも子どもたちは喜んでお外の階段に座って紺碧の海を眺めながらおにぎりやサンドウィッチをほおばり、食後には館内の日当たりの良い大階段で桃とイチゴのかき氷をいただきました。
今年の夏はあまりかき氷を食べなかったと言う子も多かったので、今度来たときにまだ暑かったら食べましょうね…と約束しました。
絵本美術館のティールームは純度の高い新鮮な氷を一年中作り続ける業務用製氷機を備えているので、しばらくシロップを冷蔵庫で冷やして子どもたちをお迎えしたいと思います。
さて、今日は約束どおり、海の絵本…とくに子どもたちの好きな『にじいろのさかな』の大型絵本を読みました。
そのあと子どもたちは、『にじいろのさかな』のシリーズの絵本をそれぞれ手に取って、自分のお気に入りの場所に散って行きました。
絵本美術館の館内は、見えているのになかなかたどり着けない迷路のような作りです。
しかし、子どもたちは勝手知ったる…で迷うことなく好きな場所を巡り、水平線を遠くに眺めながら思い思いに絵本を楽しんでいたようです。
中には、絵本『ぐりとぐらのかいすいよく』のぺージを友だちと繰りながら、手作りのぐりぐら人形でお話をつぎつぎに展開する子どもたちもいて、年長さんともなるとさすがに絵本の楽しみ方を心得ているなあ…と感心する場面も見られました。
これから卒園までに何度絵本美術館を訪れるかわかりませんが、幼稚園の「絵本の部屋」とはまた違った、絵本との特別な出会いがここにはあります。
かき氷を食べて、海の絵本を読んだなあ…。
そんなことを、大人になって思い出してもらえたら、うれしいですね。